久しぶりに、毛色の違った作品の感想などを・・・
実は、音楽+青春 というので読むのがためらわれた。
でも、白の誉田なら!と勢いをつけて読み始めた。
音楽系青春ストーリー
白の誉田哲也作品・・・だと思う
序章の次の段階が、ちょっとつらかったけど、
それを超えたらもう止まらない。止めたくない。
80年代が青春だった世代におすすめしたい。
そのころの洋楽を主人公たちがコピーするシーンでは、
懐かしい楽曲が記憶の奥から次々に流れ出す。
礼二とワタルの二人を機軸に物語がすすむ。
お互いをどこかで意識にながらも、理解しようとしない。
二人の接点がなくなっても、それぞれを結ぶ人間が、仲間がいる。
ジャックという人物の去り方が、悲哀にあふれてる。
「あと5歳若かったらな・・・」自ら作ったバンドのメンバーから脱退か、解散かを迫られるジャック。
切なくて、もの悲しくて、胸が痛かった。
成功への階段、あと一段で転げ落ちる。
その
堕ちっぷりの落差がすごい。
天と地とはまさにこの事だろう。
そこから、どうはいあがっていくか・・・残りすくないページ数。
この時が、読み手として一番ワクワクする。
起承転結がものの見事に綺麗に収まっている。
起で、バンドを組み
承で、様々な経験や苦節を味わいようやく光がみえる
転で、光に指先がふれた瞬間、堕ちる
結で、再び光が見えはじめる
黒の誉田は
結末がダークで読み手に想像させる余韻を残す。
白の誉田は
結末が爽やかで読み手に明るい未来を想像させてくれる。内容紹介
孤高の礼二と世渡り上手な航。二人が初めて組んだバンドは成功を収めるが、それ以降互いに意識しつつも歩み寄れず、やがて……。
音楽の才能は普通だが、世渡り上手なワタル。才能に恵まれるも、孤独に苦しみ続ける礼二。少年から大人へ―男たちのロック魂が交差する音楽青春エンターテインメント。
本を読んだ後、あの頃に聴いていてテープを発掘してみた。
ただ、好きだったバンドはLPなのでテープがない。
そのうえ、プレイヤーがメイン機器に接続できてないから聴けない。
CD音源でベスト版で買いなおしたけど、入ってない曲があったりする。
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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌
tag : 2011年 誉田哲也 文藝春秋